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COLUMN

建物は格好良いのに…。都市型住宅の代名詞、ヘーベルハウス(1)

最終更新日:
カトウ ノリユキ

建物は格好良いのに…。

都市型住宅の代名詞、ヘーベルハウス(1)

名古屋の街中を少し走れば必ず目にしますよね。
重量鉄骨やALC板などを用いた高いパフォーマンスを有する日本が世界に誇れる素晴らしい住宅です。
でも、いつも街中で見かけるヘーベルハウスの大半は少々残念な感じが否めません。
建物は格好良いのに…、

建物のバリエーションは沢山あるようですが、建設されている建物の大半は屋根の無いキューピックな四角い外観です。
水平、垂直ラインを上手く巧みに使い格好の良いディテールを構成し、強固な構造を生かして深く伸びた軒の出などをデザインに取り入れています。
木造住宅には、なかなか真似のできないデザインですね。

なのに何故、街中のへーベルハウスは残念な感じなのだろう?、という疑問。

その答えは簡単です。

外構やエクステリアが、格好の良いディテールを台無にしてしまっているんですね。お客様の予算の都合や色々な諸事情があるとは言え、ちょっと残念ですね。建物は格好良いのに…。

そんなヘーベルハウスで建物を建てられて、外構やエクステリアを弊社に意匠デザインから外構工事、エクステリア工事までをご依頼頂いた実例を見ながら
ヘーベルハウスを格好良く見せる為の検証をしたいと思います。


ヘーベルハウスを格好良く見せる方法

ヘーベルハウスを格好良く見せる方法(2)

●ディテールの為の最小の構成要素

このふたつの実例、ディテールで見ていくと幾つかの共通点が見えてきます。
先ず、水平ライン、垂直ラインのみでの空間構成。空間の重心ラインが下にある事。
そして、縦横比率が横方向に伸ばしてある事ですね。
ヘーベルハウスの場合は、アウトラインのないシームレスなデザインである為、笠木や見切り材、余計なボーダーラインを付けてしまうとせっかくのディテールにノイズが入ってしまい、空間をうるさくしてしまいます。

しかし、建物自体のアウトラインが曖昧な為、重心ラインがどうしても上に上がりがちです。
それを解消する為に、重心線を下へ持っていき、その重心に合わせて、縦横比を調整していく事で、空間全体のバランスが良くなりますね。

次に、使用する素材についてですが、コンクリート、タイル、石、植栽。
たったこれだけ…。

空間の為の構成要素としては非常に少なくしてある事がわかります。
ヘーベルハウス自体が既に最小の構成要素で出来ていますよね。
そこへ、あれやこれや、いろんな素材をあててしまうと煩くガチャガチャした空間が出来、大変な事になってしまいます。

ヘーベルハウスを格好良く見せる方法(3)

最後に、使う色。
ヘーベルハウスの場合、建物に使われている色は平均2色、多くても3色使いが目立ちますよね。
一般的な木造住宅などの場合に比べて使用する色が極端に少ないのが分かると思います。

ここに、ポイントがあります。

この二つの実例の中で使われている色は、
ホワイト、グレー、ブラック、ベージュの4色です。
ここでも空間構成でお話しした、ディテールの為の最小の構成要素と同じ事が言えますね。

沢山の色を使う事によって、空間全体が派手になったり、ましてや、違うデザインへ行ってしまう事故が起こってしまいます。
最小限の色構成で空間を彩る事で、空間全体が自然にまとまり、バランスの良い格好の良いディテールが完成します。

最後に、ヘーベルハウスを格好良く見せる方法。
ヘーベルハウスのように格好の良い住宅における外構デザイン、エクステリアデザインについては、いかに、少ない要素で建物と外構、エクステリアを同化させられるかがポイントですね。

あとは、デザイナーの腕しだい…

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