【2021年最新情報】住宅業界にも広がる、半導体ショックはいつまで続くのか?
今年もコロナ禍の中、クリスマス商戦を迎え、クリスマスプレゼントもそろそろ決まる時期ではないでしょうか?
今年10月に発売された任天堂のゲーム機のスイッチの最新版は、お子さまのプレゼントとして人気が高いですが、 現時点では減産の方向に進んでおり、非常に手に入りにくいものになっていると聞きます。
減産の理由は皆さんもよく耳にする半導体不足(半導体ショック)です。
実は半導体ショックは今に始まったわけではなく、2019年にスマートフォンやパソコンの需要停滞による半導体不況に始まり、それが2020年末から顕在化、そして現在は「第2波」とも言われています。
現在、自動車業界や家電業界を中心に世界中を悩ませている半導体ショックとは一体どういう現象なのでしょうか?
そもそも半導体とは?
半導体とは本来は「半導体集積回路」のことを指します。
物質には電気をよく通す金属などの「導体」と、電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」があります。
半導体は その中間の性質を持つシリコンなどの物質や材料のことです。
普段、半導体自体は私たちの目に触れることもないので、正直「よくわからない…」というのが本音かと思いますが、私たちが何気なく使用する自動車やデジタル家電、PCやスマートフォンに搭載されていて、私たちの生活には欠かせない物質です。
昨年以来IoT(Internet of Things −モノのインターネット−)が本格普及し、コロナ禍のリモートワークなどに伴いさらに需要増につながったことで、今まさに必要不可欠である半導体の不足が加速している状態なのです。
半導体不足の理由は?
理由の1つは、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うPCやクラウドへの需要の高まりです。
テレワークや在宅勤務など家での生活様式が急変し、企業や教育機関がDX(デジタルトランスフォーメーション)への投資を加速させたことも半導体の需要が大きく増えた要因です。
コロナ禍で各地の半導体関連工場が操業を停止になり、物流の混乱が発生。
その結果、世界的に半導体が足りない状況となりました。
そのような経緯を経て、半導体の不足という現象は私たちの生活を便利してくれる数多くの電化製品、自動車の製造に影響が生じている状況なのです。
もちろん住宅設備も例外ではありません。
半導体不足で家電製品が値上がり。ガス給湯器や浴室暖房の納期延期…
とあるニュースで「風呂場でシャワーを浴びていたら、突然水しか出なくなり…」というのを耳にしたことがあります。
自宅の給湯器が故障してしまい、修理のために業者に問い合わせるも「半導体不足で、国内に給湯器の在庫が一つも存在していない」「故障した給湯器が4月まで直せない」との返答が返ってきたと言います。
これから冬を迎える上でとお湯が使えないという最悪な事態。
半導体ショックの余波は、部品の供給不足に繋がり、エアコン、電灯照明器具、そしてこれからの冬場に欠かせないガス給湯器や浴室暖房、温水洗浄便座(シャワートイレ)などが品薄傾向となっています。
メーカー側が納期延期を案内しているのが現状で、もし運よく入荷してもメーカーや製品を自由に選択することができない状況です。
家づくりにおいて、これらの住宅設備が品薄になると建築の工事計画が進められません。
新築やリフォームを計画している方にとっては、非常に深刻な状況です。
また半導体ショックは太陽光発電業界にも波及しており、コロナ禍による部材の供給不足も加わり、太陽光発電・家庭用蓄電池・V2Hの生産の遅延も生じています。
半導体は現在国が推奨しているZEH住宅に必要な太陽光発電にも使用されているため、パワーコンディショナー不足により、ZEH住宅にできないという事態が起きてしまいます。
このようなことから半導体ショックは、ウッドショックに続き、住宅業界に大きな影響が出ているのです。
結局、半導体不足の完全解消はいつ?2023年にずれ込む可能性
部品調達で苦戦を強いられているトヨタ自動車も、挽回生産が来期(2023年3月期)にずれ込む見通しとのことが明らかになっています。
車載半導体の不足は2022年半ばまでは解決されないと見解もあり、またIoTなどの強い需要のために2024年まで続く可能性があるとも言われています。
ウッドショックの記事でも述べましたが、ウッドショックや半導体ショックの影響で家づくりを延期する動きも見られます。
もちろんそれは正しい選択でもあります。ですが家づくりの延期は問題の先送りをしているに過ぎません。
新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」も、今後の生活や経済にどのような影響を及ぼすか想像できません。
いつまで待つのか?どのタイミングで建てるのか?
これから家づくりをお考えの方は、最新情報の収集をお勧めするとともに、各住宅メーカーや設計事務所にご相談の上、最適な建築計画の見極めが重要となります。
弊社はこれからも、皆様にとって価値のある情報発信を行なっていきたいと思っておりますので、是非ご自身の家づくりに役立てていただければ幸いです。